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(1-26)医療保険よりもがん保険を優先に考える

医療保険とは、健康保険をこう呼ぶ場合もありますが、主に民間の保険会社の扱う入院保険をこの場では言います。
病気や怪我で入院しますと、入院日数に応じて給付金が受取れたり、手術の種類によって給付金が受取れるという保険です。
TVコマーシャルや新聞なども御馴染みとなってきました。

様々な病気や怪我が対象になる医療保険。もちろんがんも対象です。
そして、ネット上でも医療保険があればがん保険はいらないのでは、という記述も見掛けます。
果たしてそうでしょうか。この記事を読んだ後に、がん保険が不要か是非お考え下さい。
まずは幾つか保険を並べてみます。

・A社 終身医療保険(1入院60日・終身保障・終身払)
 入院日額10000円(手術10・20・40万)
 30歳男性 月払保険料3,580円

・O社 終身医療保険(1入院120日・終身保障・終身払)
 入院日額10000円(手術20万)
 30歳男性 月払保険料3,760円

・T社 終身医療保険(1入院360日・終身保障・終身払)
 入院日額10000円(手術10・20・40万)・保険料免除特約付
 30歳男性 月払保険料7,163円

・N社 終身医療保険(1入院1095日・終身保障・終身払)
 入院日額10000円(手術10・20・40万)
 30歳男性 月払保険料5,690円


・N社 終身がん保険(入院無制限・終身保障・終身払)
 入院日額10000円(手術10・20・40万)
 診断給付金100万円
 30歳男性 月払保険料1,670円

 上記上4つが終身医療保険、一番下が終身がん保険です。
 今回は各保険会社や個別の保障内容に触れるわけではありませんので、この段階では保険料のイメージを持ってもらえばと思います。
 
 医療保険は様々な疾病・怪我が保障対象なので、保障対象ががんのみとなるがん保険よりは総じて高くなります。(がんに特化しているのでがん保険は割安です。)
両方の種類に加入している人も少なくないのですが、どちらかと言うとがん保険はおまけのようなイメージがあるかと思います。

 お金の掛かるイメージの強いガンでも、健康保険が適用になっている治療は一般の方は3割負担です。もちろん他の病気も3割負担です。
 健康保険が使える病気では、高額療養費という医療費の還付の制度があります。
高額療養費の制度を見ると分かりますが、一ヶ月の自己負担は上限キャップがありまして、還付対象外の食費(720円/日)を加えても、一ヶ月10万円位が保険診療の自己負担の目安となります。

 1入院60日型を選らんでいる方は20万円、1入院120日型を選んでいる方は40万円の貯蓄があれば医療費の自己負担に耐えられるとも言えます。

ここで差額ベット代はどうなのだ、という声が聞こえてきそうですね。
差額ベット代は、患者が自ら望む場合に限り病院側は患者に請求ができるものです。差額の掛からない6人部屋等選べば節約可能です。
(大部屋に空きが無い、治療上隔離する必要がある、など患者の希望によらないものは病院側は請求不可。)
療養中はただでさえ窮屈な環境なので、個室や2〜3人部屋を使いたくなる気持ちは分かります。ただ、入院の短期化傾向もありますし、大部屋で我慢すると30万円節約可能という場合があれば節約して別な事に使ったほうが良いのではないかと思ったりもします。(後に何も残らない出費です。)

一ヶ月10万の自己負担に対して保険で準備しても良いのですが、他にも方法がありそうな気もしないでしょうか。
自家保険(=貯蓄)というものも良さそうですよね。年間どれ位の保険料を払っていて、どれ位の医療リスクに備えているのかを考えてみるのも良いように思います。

一方、お金の掛かる病気の代表格である「がん」。保険診療の範囲なら自己負担は他の病気と変わらない旨は先程書きました。
がんも医療機器の進歩で早期発見がしやすくなってきましたし、今後も発見精度は上がっていくようです。(次世代PET-CTという機械では5mm以下のがんも発見できるとか。)
がんの特有の問題として、入院だけで治療が終わらない事が挙げられます。医療保険(入院保険)では入院した期間しか対象になりませんので、退院後の給付は望めません。(通院給付金は?と言う声が聞こえてきそうですが、支払要件と支払限度日数を見るとあまりあてに出来ないのがわかるはずです。)
先程の月10万円の自己負担、これが毎月掛かるとなるとどうでしょうか。通院治療になれば食費は掛かりませんので、月々8万程を超えると高額療養費で還付されますが、それ以内は還付されません。
同業者の知人で大腸がんに罹患し、昨年に5年の治療を終えた方がいます。5年間毎月検診に通い、抗がん剤等の薬剤費は毎月5万円程だったそうです。(保険の利く薬。)
これだけで5万円×12ヶ月×5年=300万円程に上ってしまいます。
特段国内未承認の高い薬を使ったわけでも、高度先進医療を受けたわけでもありませんが、医療費総額は決して安いものではありませんでした。
入院中にどんなに高度な手術を受けても保険診療であれば高額療養費の還付で10万程度の自己負担で済むのですが、高額療養費は暦どおりの一ヶ月で区切りまして、毎月毎月自己負担が生じるものです。

国立がんセンターのHPを見ると5年間の治療期間を経て再発が無いと治癒と見るそうで、5年以内は治癒とはみなさないそうです。

がん保険ではがんと診断確定されると診断給付金という一時金が受取れます。入院無制限保障も特徴ながら、がんも早期発見により短期化傾向があるのでまとまった給付は望みずらいかもしれません。このため、診断給付金をより多めに持っておいたほうが安心できます。

今回の表題「医療保険よりもがん保険を優先に考える」というのは、上限キャップ(高額療養費の還付)、差額ベット未使用を考えると入院により大きな出費は考えられないので、貯蓄でも十分対処できる金額でしょうから、お金の掛かるガン保険を充実させた方が良いのではないか、と言うものです。

医療保険全て辞めてがん保険だけにしましょうと言う事ではなく、日額10000円の医療保険なら半分に落としてその分貯蓄に回したら如何でしょうか。

ちなみに、高額療養費の還付は退院後請求して2〜3ヶ月先に戻ってくるもので、入院中や退院の際の病院への精算はきちんと3割分払う必要があります。まとまった支払が一旦生じます。
まとまったお金を一旦工面する必要があります。解決策としては次のような事が考えられます。

 ・高額療養費貸付金(9割)を予め受ける。
 ・カード払いできる病院でクレジットカードを使用
 ・他の貯蓄から一旦支払。

医療保険ではこのまとまったお金を工面する手段はありません。がんの場合にがん保険は診断給付金という一時金があるので支払に当てられます。
(医療保険への請求は通常退院後です。)
この辺りにも対処できるように、緊急予備資金(月収3か月分程)は動かせるようにしておきたいものです。(入院に限らず世の中何があるか分かりませんし。)
元々健康保険の補完商品ですし、医療保険一辺倒ではなく、貯蓄とがん保険にバランスよく拠出するのが最善かと思う次第です。

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